10th December 2016
Acting Together
Lead performer : Yen Noh
venue : ASAKUSA, Tokyo
Project : ARCUS studio All photo credit ©️ARCUS PROJECT
このイベントは、2016年11月24日(木)~12月25日(日)に、ASAKUSAの企画展として催されたオノ・ヨーコ&リクリット・ティラバーニャ『共に行動すること』展へのトリビュートイベントの一つとして、Arcus Studioにレジデンス中であったアーティストYen Nohが招待され、さらに彼女が山岡を招待する形で行われた。以下は、Yenから山岡に送られた招待状であり、同時に観客にも向けられている。 (the text : English and Japanese)
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YEN NOH
Soybean-sprout Invitation to: “Acting Together” with SAKIKO YAMAOKA
イェン・ノー | 『共に行動すること』へのもやし招待、山岡さ希子とともに
12/10 Sat. 17:00 – 19:00
“What is work? What is this curious unity which we designate as work? Of what elements is it composed? Is it not what an author has written?”
「作品とは何か?私たちが作品と呼ぶこの興味深い結合体は何か?何がそれを構成しているのか?それは作者によって書かれたものではないのか?」
会場であるASAKUSAの企画展「『共に行動すること』オノ・ヨーコ&リクリット・ティラバーニャ」へのトリビュート・パフォーマンスとして、私はアーティストの山岡さ希子さんに「もやし招待状」を送り、共に 行動することを提案しました。この招待状はまた、公共に差し出され再翻訳されていきます。人々を招き入れるジェスチャーが、(個人的、またはネットワークを介して広がり、実際にこの場にいらっしゃるかどうかにかかわらず)さ希子と私とオーディエンスというある好奇心に引き寄せられた集団を生み、出来事を構成するのです。とはいえ、私の目的は人間関係を築くということではありません。そうではなく、アートにおいて共に行為すること、アートの定義と一 時性について、そしてこの行為における作家性のありかを主張することなのです。なぜならこのバイナリーな招待状は、 ある「興味深い結合体」であるアート作品を構成する重要な要素、時間と空間の境界をあいまいにする機会となるから です。これが過去への贈り物(トリビュート)であることが含意しているように、それは作品の一時性に挑戦するもの なのです。さ希子と私は、もやしのような、ちっぽけでありふれていて、そして興味深いものを探し、「共に行動する こと」によってそれを見出すことに同意したのです。
それに対する山岡の返信
このやりとりの後、会場で行われたことは、Yen Nohは、用意したさまざまなテキスト(共に行動するアートということについての問い、むしろ肯定的な)を、会場であるASAKUSA のスペースのあちこちに貼り、その間、私はお客さんたちに急須でいれた温かい緑茶を振舞った。その後、Yenと私で、交代で、Yenの用意したテキストを読んだ。Yenは、日本が韓国を併合していた時代に、日本で一時的に活発であったアートムーブメントMAVOを研究することを目的に滞在していた。そこで、ちょうどASAKUSAで開催していた展覧会に関連して、アートにおける集団活動を問い直す(再定義する)というプレゼンテーションを行なった。ARCUS PROJECTの滞在アーティストということもあり、ASAKUSAのintimateな空間にたくさんの観客が押し寄せた。わたしは、彼女とのとても友好的でありながら、同時に、ギクシャク、つまり、関係性の築き方がコンセプト上、手探りになることは大前提であったので、それを十分に楽しませてもらった。お茶を振る舞うのは、パフォーマンスとは思われなかったようで、写真は残っていない。
参考:イベント後にYenが留学中のZurich University of the Artsにて発表したテキスト→after the event text by Yen Noh (English)