
このイベントの行われた場所は、スエーデンの首都のStokholmからバスで2時間くらいの村、Almunge。SU-ENという舞踏ダンサーの自宅で、稽古場がある。以前は、カンパニーを成していたので、若い女性メンバーが共同生活していた。その昔、村の学校だったので、Scolaと呼ぶ。この辺りのことは、Photo Book”Walk to the Lake”に載っている。その写真撮影は2014年で、このパフォーマンスは2019年。5年ぶりに訪れた。
このSkolaの隣の家には、歩くと10分くらいかかる。周りは山、森、沼。Skolaの敷地内は、電気も通っているし、まめに草刈りもしてあり、人間が安心して暮らす場所であるが、その外は動物も住むWildな場所。
企画は、SU-ENによるもので、パフォーマンスアーティストと実験音楽の人たち、ドイツや日本、シンガポールからと国内アーティストたち5〜6人が招待された。”K.R.O.P.P Lab 2019”という企画名。8月22日から9月1日までの滞在。パフォーマンスは、8月31日に行った。この企画では、他の場所での2つのパフォーマンスがある。
私は8月30日に、スコーラの裏の森から背の低い樹木を掘り起こし、一輪車で集めた。パフォーマンス当日には、一輪車で移動しながらスコーラの敷地内あちこちに植えるということをした。
植えるという行為は、私の考えてきた「帰化」するということとともに、ヨゼフ・ボイスの樹木を植えるプロジェクトを意識している。また、私は「歌やパフォーマンスが行われている横で働いている(植えている)人がいる」というイメージをなぜか、何年か置きに、続けて行っている。いかにもパフォーマンスではない動きをしたかった頃。
イベント日には、まる1日、あちらこちらで6人くらいのアーティストがパフォーマンスをする。
また、数日前から、参加アーティストに食事の時などのおしゃべりの時間に、短い小噺を聞いておき、黄色いリボンに書いておいた。そのリボンを、樹木にくっつけて完成。黄色のリボンに書いた小噺は例えば
「ある星とある星がおしゃべりをした。ある星が言った。「いや、まいったよ。うちには人間ってやつが住み込んでてね。厚かましいんだ」。そしたら、もう一つの星が言った「心配するなよ、そいつらは、すぐにいなくなるさ」。
と言ったようなもの。
その後、その樹木のうちの何本かは、根付いていると聞いている。



以下、イベント当日









