28枚の板札の詩 board card poems

細い焼きごてで絵を描くようになった(Pyrography)きっかけの作品。1995年、韓国の公州市で開催された「国際自然芸術祭」に参加した。パフォーマンスで招待されていたが、フェスティバルは展示ベースのイベントなので、自然の中に何か、造形物を置きたいと考えた。会場は、公山城(2015年に世界遺産となった)。百済時代(5〜6世紀)の城の遺構だ。起伏のある場所に、複数の小ぶりの建物があちこちに建っていて、全体は緑の丘という風情であった。横を流れる川は、錦江である。そんな場所なので、主張せず、ただ、風に揺れて人がようやく気づくくらいのささやかなものが良いと思った。当時わたしは、ちょうど韓国語を習っていたので、ハングルによる短い詩のようなものを、木々に掲げることにした。文字とそして簡単な絵を加えた黄色い板を28枚用意し、あちらこちらの木にぶら下げたり、そっと石に立てかけたりした。28枚というのは、7の倍数で、お遍路を意識している。字と絵は、雨で流れてしまわないように、特殊な細いコテで描いた。

この作品のタイトルは「Golden Ladder 金色のはしご」。それぞれの板が、はしごの横板をイメージしている。

1.風の馬 바람 말
1.風の馬 바람 말
2.尻から火を吹く
2.尻から火を吹く
3.放置された死体
4.頭が軽くなった
4.頭が軽くなった
5.雲から手
6.太鼓の下敷きになる
7.つながった頭
8.9つの穴に刺さる
9.変わった帽子の王妃
10.目が四つの子供
11.壺を抱きしめる
12.女
13.耳から鳥が出る
13.耳から鳥が出る
14.弥勒
15.リボンの腕の踊り
16人間ドルメン
16.人間ドルメン
17.かぶりものをして座る
18.種を数える
18.種を数える
19.口の中で犬を飼う
19.口の中で犬を飼う
20. 木になる
21.基本
22.傘をさして歩く
22.傘をさして歩く
23.李さんにもらった人形 
24.巨木の幹にもたれる
25.あなたの中に生きている
26.うさぎと舟に乗る
27.池に飛び込む
28.終わらない
28.終わらない(光復楼の前で)